リンパ節はどこにあるの？
私たちの体には、血液と同じように全身にリンパ液が流れています。このリンパ液が流れる管を「リンパ管」、そしてリンパ管の節目に存在する免疫器官が「リンパ節」です。リンパ節にはリンパ球が集合していて、ウイルスや細菌感染に対する活発な免疫反応の場になっています。頭頸部では頸部にリンパ節が多く存在し、鼻腔・口腔・扁桃・咽頭などの感染症に対応しています。
リンパ節腫脹について
鼻腔・口腔・扁桃・咽頭などに細菌やウイルス感染があると、頸部のリンパ節に活発な免疫反応が生じて、リンパ節が腫脹し、外から触って分かるくらいにリンパ節が腫れることがあります。
そのほか、頭頸部がんがリンパ管を介して転移すると、がん細胞のリンパ節転移として、頸部リンパ節が腫脹することがあります。
リンパ節腫脹の原因
リンパ節腫脹の原因は、感染症（炎症）に対する免疫反応による場合と、がん細胞のリンパ節転移によるものに分けられます。
炎症
上気道のウイルスや細菌感染に伴うリンパ節腫脹はしばしば認められ、とくにEBウイルスによる伝染性単核球症、亜急性壊死性リンパ節炎などでよく認められます。そのほか結核などの特殊炎症などでも認められます。
腫瘍
鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などの頭頸部がんの頸部転移で、頸部リンパ節腫脹が認められます。悪性リンパ腫など全身に認められる悪性腫瘍や、他領域のがんからの転移の場合もあります。
こんなリンパ節腫脹はがんの転移の
可能性があります
頸部のリンパ節腫脹が気になる場合は、お早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
- 大きさが2センチ以上
- だんだんと大きくなっている
- 硬い
- 無痛性
- 発熱、寝汗、食欲不振・体重減少などの症状を伴う
リンパ節腫脹の検査
問診・視診・触診の上、咽頭・喉頭のファイバースコープ検査、血液検査、超音波検査などで診断します。CT検査やMRI検査を行うこともあります。必要に応じて、ウイルス抗体価検査、自己抗体検査、細菌学的検査などを組み合わせます。
リンパ節腫脹の治療
ウイルス性炎症を伴う場合は、消炎鎮痛薬などの対症療法で経過を観察します。細菌性炎症を伴う場合は、感受性のある抗菌薬を投与します。
疲れやストレスを排除して、安静に務めることも大事です。
悪性腫瘍やがんの転移などが疑われる場合には、速やかに提携する病院にご紹介いたします。
