外耳炎・耳垢栓塞について
外耳から鼓膜までが「外耳道」で、そこに耳垢がつまった状態が「耳垢栓塞」です。
外耳道皮膚の炎症が外耳炎で、頻回の耳そうじなどで傷つけてしまうことが多いです。
頻回の「耳そうじ」が外耳炎につながる
本来、耳そうじは不要あるいは、週か月に1回程度で十分です。しかしながら、つい気持ちが良くて毎日綿棒で耳そうじをする人がいます。強く搔きすぎるとそれが刺激になって、外耳炎をおこして耳の中がかゆくなり、かゆみを抑えるためにまた綿棒でさわってしまう悪循環になります。さわりすぎないこと、ごしごししないことが重要です。
ひどくなると、かゆみがおさまらなくなり、出血したり、耳だれが出る場合もあります。
耳垢栓塞
子どもは外耳道が狭く、耳垢をとろうとして、奥へ押し込んでしまったり、耳垢がつまってとれなくなることがあります。一方、ご高齢で何年も耳のそうじができずに、耳垢が外耳道にかたくつまってしまう場合もあります。
いずれの場合も、ご自分でとることはできませんので、お気軽に受診してください。
外耳炎・耳垢栓塞の治療
外耳炎
ご来院の際に、耳の清掃と軟膏塗布などを行います。抗菌薬やステロイド薬の点耳や軟膏の塗布を行うこともあります。細菌感染をともなう場合は抗菌薬を処方します。
耳そうじが原因になっている場合は、さわりすぎないことが大切です。
耳垢栓塞
耳垢栓塞は、痛みのないように取り除きますので、どうぞ、ご安心ください。
固くつまってしまって取りにくい場合は、耳垢を軟らかくする点耳薬を処方して、再診時にとりやすくして除去することもあります。
耳そうじだけで受診していただいて
かまいません
以下の症状などがあるときは、お気軽にご相談ください。
耳疾患の早期発見につながる場合もあります。
- 耳掃除をしたいが、傷をつけてしまわないか心配
- 子どもの耳そうじができなくて不安
- 自分では取れない耳垢がある
- 必要以上に耳掃除をしたくなる
- 自分で耳そうじをしたが、かゆみ、耳閉感、難聴などの症状が残る
外耳道真珠腫について
外耳道の一部に耳垢様の上皮の塊ができて、外耳道の骨を一部破壊して周囲に進展するのが外耳道真珠腫です。ご高齢の人や透析中の人に多くみられます。外来での局所処置による清掃を繰り返すことで、治療できることが多い疾患です。耳垢や外耳のことでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。
術後耳について
過去に耳の手術を受けた経験のある患者さんでは、耳垢がたまりやすく、自分でとることができないため、耳鼻咽喉科での定期的な清掃を必要とする場合があります。当院では、こうした術後耳の清掃も行っておりますので、安心してご相談ください。